静岡県島田市の『ますだ動物クリニック』 では、一般的な西洋医療のほか鍼灸治療や漢方、メディカルアロマテラピーも行っています。
当院では一般的な西洋医療をはじめ、鍼灸や漢方などの東洋医療も取り入れております。簡単ではありますが、動物の医療での鍼灸や漢方の治療の方法についてご紹介します。

動物の鍼灸治療について

当院では、飼い主様のご希望により、また必要に応じて鍼灸治療を行っております。
鍼灸治療を単独で行うこともありますが、西洋医療の治療の補助として併用することもあります。東洋医学的考え方としては、動物にも人間と同じく経絡(けいらく:気の通り道)があると考えられ、その経絡上に、ツボが存在します。これらを刺激することによって、全身あるいは局所の治療を行うことを目的とします。
どのような病気・症状に効くの?
当院でよく鍼灸治療を行うものの例として
椎間板ヘルニア(症状が比較的軽いものや、慢性的な場合には有効です。脊髄軟化症という生命の危険に及ぶような非常に重度なものに対しては、鍼灸による治療では改善しない例もあります。また、外科手術が適用となる場合には、そちらを提案することもあります。)個人的な経験から、グレード3や一部のグレード4の症例で歩行が可能になった例があります。
慢性運動器疾患(外科手術が適応とならない慢性関節炎など)。最近は慢性股関節炎などへの臨床応用例が多いです。
慢性腎不全(補液などを併用することもあります)
衰弱・老齢による体力低下
その他の病気につきましては、鍼灸治療が可能かどうかを検討したうえで施術します。詳しくは獣医師までご相談ください。
○実際に使用する鍼(上)と通常注射で使用する注射針(下)
注射針と比べて細いため、それほど痛みは生じませんが、神経質な動物の場合は過敏に反応することもあります。
○施術例1
椎間板ヘルニアグレードⅢ、背部兪穴に施鍼し低周波パルス療法を実施
○施術例2
椎間板ヘルニアグレードⅣ、上記の方法プラス後肢の重要なツボに施鍼
Q. どんな動物にも鍼灸治療はできますか?
A. 私個人の経験では犬と猫には鍼灸を実施しています。ただし、すべての犬猫に適しているというわけではありません。特に
・著しく攻撃性のある場合
・悪性腫瘍のある場合(腫瘍の増殖を助長する可能性があります)
・著しく衰弱した状態
などの例では治療不適応となることがあります。また、上記に該当しない場合でも、特に初回は動物も緊張していることが多いため、徐々に治療に馴らしていくことも重要です。したがいまして、無理はしないように治療を行うように心がけています。
Q. 料金はいくらですか?
A. 治療内容や箇所によって使用する鍼の本数や時間も変わりますので均一料金ではありませんが、だいたい4,000~5,000円くらいであることが多いです。
一部のペット保険では保険適用となる場合がありますので、ご加入のペット保険がある場合は、保険会社にご確認ください。
Q. 予約なしで来院してもOKですか?
A. 鍼灸治療は比較的時間を頂くことが多いので(特に初回は少なくとも30分以上はかかります)前日までにご予約ください。
鍼灸治療は症状がおさまっても、定期的に治療を継続することによって再発を予防することができる例を多く見かけます。
目安として、おおよそ月に1度メンテナンスとして、施術を受けられることをおすすめしております。

医療用レーザー治療器を導入致しました!

医療用レーザーは鍼等刺さず、右の写真のようなプローブを当てるだけですで、動物に痛みを与えないことが特徴です。
痛みを感じやすい部位は鍼ではなくレーザーを使用することもあります。また、おなかをはじめとした動物で鍼を施術しにくい部位にも使用できるところが利点です。
西洋医療でもその有効性が証明されていて、炎症の緩和、慢性疼痛やけが、外耳炎、外傷などさまざまな症状に使用することが出来ます。
鍼治療と合わせての使用も出来るため、より治療効果を高めることが期待出来ます。
こちらも一部のペット保険では保険適用となる場合があります。

ご家族さまからの声

○ 鍼をやってもらうと足がすべらなくなった(浜松市・I様)
○ 椎間板ヘルニアグレード5と診断されたが、鍼で歩けるようになった(富士宮市・H様)
○ 鍼は痛そうだと思ったけど、気持ちよさそうに治療を受けています(磐田市・I様)

漢方治療について

当院では漢方治療も実施しております。鍼灸治療と同じく「弁証論治」の理論に則って治療を行うことが多いです。同じ疾患であっても、症状によっては異なるお薬を処方することもあります。
当院で現在動物に使用している漢方とは
① 人医療で健康保険の適用となっている漢方薬(代表例:ツムラ41(補中益気湯)など)
② 動物専用の漢方(イスクラ産業㈱のQUANPOW)
③ その他 があります。
①の人医療で使われる漢方薬の多くは顆粒となっています。
②の動物専用漢方は錠剤となっています。顆粒が飲みにくい場合は、こちらの方が飲ませやすいことがあります。
③その他としましては、漢方の生薬を使用したイヤークリーナーやシャンプーなどによって日ごろの健康管理にお役立て頂けるものがございます。
漢方を使用する機会の多い疾患
慢性の皮膚疾患(なるべくステロイドの使用量を減らすという目的で)
消化器疾患
運動器疾患での鍼治療との相乗効果を期待して
いわゆる病気の全段階「未病」や、健康維持、アンチエイジングとして
養生として長期服用しても問題のないものが多いのが漢方の特徴といえるかもしれません。
ただし、同じ疾患であっても微妙なからだの変化や徴候によって処方される漢方の組合せや量が変わることがあります。
Q. 漢方薬はおいしくないと思いますが、動物でも飲めますか?
A. 確かに薬によってはかなり飲みにくいものもあります。特にネコちゃんではかなり投薬が困難な場合もあります。飲ませ方についてはいろいろ方法をご提案しますので、ご相談ください。
Q. ペット保険に入っているのですが、漢方は保険対象になりますか?
A. 以前はすべての保険会社の場合でも保険対象外でしたが、一部変更がありました。これによって一部の漢方薬については保険対象となったものもあります。保険会社さんによって適用の有無が異なりますので、加入されている場合はご確認ください。
Q. 即効性がないと聞くことがありますが、そのあたりはどうでしょうか?
A. 即効性があるものもあります。とはいうものの、慢性疾患の場合は長い期間続けていただくことで効果を得るものもあります。従いまして、症状や使うお薬などによってさまざまであると言えます。

ペットマッサージについて

当院ではペット東洋医学に基づいたペットマッサージを取り入れております。
動物の体に優しく、触れながら人も動物もリラックスしておこなう痛くないマッサージです。高齢化が進む動物たちも人と同じような病気に罹ることがわかっています。
関節が痛む・足腰が弱くなるなど、高齢の動物に対する施術はもちろんのこと、ヘルニアのリハビリを兼ねたマッサージ、ストレスによりこわばった筋肉のこりをほぐしたり、ツボを刺激しながらリンパの流れをよくしてあげることで心身のバランスを整え、動物もより快適な生活を送ることができます。
また普段から全身を触ることで、皮膚病やしこりなどの異常に早く気付くことが出来るメリットもあります。
院長は日本ペットマッサージ協会の理事として、セミナー講師も担当しています。また当院スタッフもペットマッサージセラピストの資格を取得しております。
ペットマッサージは予約制で、資格を持ったスタッフがおこないます。
飼い主様へご自宅でもおこなえるマッサージ方法をお伝えしながら、ハーブボール(写真)を使用した経絡マッサージをおこないます。時間は10分〜20分程度です。
準備が必要なため、前日までにご予約下さい。
鍼灸治療との併用も可能です。

ハーブボールとは…タイの伝統医療です。
ポンツクショウガ、レモングラス、こぶみかん、ウコンなどのハーブを布で包んで蒸したものを体に押し当てながら、全身の血行を促進して巡りをよくしていきます。
短い時間でもハーブの力と湿熱で体がとても温まります。
またハーブの香りがリラックス効果ももたらしてくれます。
動物にハーブボールマッサージを取り入れている動物病院は静岡県内では当院が初めてです!

獣医東洋医療・中医学などの学術研究について

現在、日本獣医伝統医学会や日本ペット中医学研究会など、獣医療に関係した学術団体での勉強会に積極的に参加し、症例報告等を実施しております。
日本ペット中医学研究会では、学術委員として研鑽に努めております。獣医療領域では、中医学は実は家畜などの分野において非常に歴史のある分野です。しかしながら、近代から現代においてコンパニオンアニマルに対しての文献や報告というのはまだまだ少なく、懐疑的な見方がなされることがあるのも実情です。このような中、人の医療現場でも漢方薬の科学的な有効性に注目が集まり、使用されています。動物の医療現場におきましても、その有効性についてさらに見識を深め、動物の健康的な生活に寄与できればと考えております。
そのためにも、きちんとした東洋医療での「弁証論治(東洋医学でいう病気の状態を判断して治療を行う方法)」と、現代医療の診断・治療とを併行しながら診療を行うようにしております。
治療の経過を確認するために、その時々に写真や動画の記録をする場合がございます。個人情報の管理には細心の注意をはらっておりますが、ご希望されない際はお申し付け下さい。
主な学術発表等実績(東洋医療関連のもののみ抜粋)
●「問題行動に対してメディカルアロマテラピーを用いた4例」(日本伝統獣医学会第47回大会)(2011)
● JPCM日本ペット中医学研究会症例検討会(2014 2015)
● 運動器疾患に対し鍼灸と中医学サプリメントを併用した治療効果(日本伝統獣医学会第55回大会)(2015)
● 慢性アレルギー性皮膚疾患にMMDパルス療法と漢方を併用した2例(第5回中西結合医療症例検討会)(2015)
ペットとの暮らしを素敵に楽しくペットのことなら「ペトこと」
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休診日:木曜、日曜、祝日、その他臨時休診日がございます。

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